受遺者が先に死亡した場合の処理

遺言

こんにちは、弁護士の加藤です。

 

つい最近まで、大雨の日が続き、私が普段利用している名古屋駅でもつい最近雨で電車が止まるという事態が生じていましたが、そんな梅雨が明けると、一気に夏らしい季節が来るのが日本の気候ですね。

 

体調を崩さないように、気を付けていきたいと思います。

皆様もこまめに水分をとるなどして、体調にはお気をつけください。

 

今回は、無料相談を通じて、ご相談された中で、一般の方に誤解が生じていると思われる遺言の内容についてご紹介したいと思います。

それは、遺言書で財産を受け取ることとした人が亡くなった場合、その財産は誰が相続するかということです。

 

一般の人の中には、長男に家を相続させる内容の遺言書を作成しておいて、長男が亡くなった場合は、その長男の子に相続されると考える人もいるようですが、これは誤りです。

民法995条に「遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する」と記載されており、長男が遺言者より先に死亡した場合は、その財産は、遺贈者のその他の財産に含まれることになります。

一方で、民法995条は「ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う」としています。

 

そのため、仮に遺言書に「その他財産」として、特定せずに誰かに相続させる内容が書かれていた場合は、その人に相続されますし、そのような記載がない場合は、遺言書がないものとして、相続人間で協議する必要があります。

 

こうした事態を避けるためには、遺言書に、先に長男が亡くなった場合は、その子に相続させるというような条件付きの条項(一般に予備的条項といいます。)を加えたり、長男が亡くなった後に、遺言書を書き換えるといった方法をとることで、希望とおりの相続をさせることができます。

 

そのため、遺言書の作成の際には様々なシチュエーションを想定しておく必要があり、また、一度遺言書を作ったとしても状況に合わせて作り直すということが必要です。

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