こんにちは、弁護士の加藤です。
名古屋の事務所で相続を主に取り扱っている自分ですが、ここ最近なぜか韓国籍の方の相続手続きのご相談が相次ぎました。
・・・(続きはこちら) こんにちは、弁護士の加藤です。
名古屋の事務所で相続を主に取り扱っている自分ですが、ここ最近なぜか韓国籍の方の相続手続きのご相談が相次ぎました。
僕の中の韓国といえば、母親と妹が見ているドラマを横目でつまみ食い的に見る印象のあるものでした(何本かは自分もはまって通して見直したりしました)。
韓国ドラマの中には、韓国の財閥とドロドロとした陰謀をテーマにしたものもいくつかありましたが、話の筋からすると、妙に相続について違和感のある考えを前提にしているような気がするものもありました。
そこで、最近韓国籍の方の相続を取り扱うこともあるので、いくつか本を取り寄せて、韓国の相続について勉強しましたので、この場で共有させていただければと思います。
そもそも、勉強を始めようと思って、まず思ったのが、「韓国の相続法を勉強して日本の弁護活動に意味があるのか。韓国籍の人も日本で亡くなった場合は、日本の法律が適用されるのでは、あまり役に立たないのではないか。」ということです。
この点、まず日本の法律である法の適用に関する通則法36条には、
「相続は、被相続人の本国法による。」
と定められています。
つまり、亡くなった方が韓国国籍を有する場合、その相続については、原則として、韓国の民放が適用されることになります。
例外としては、遺言で準拠法を日本法によることを定めることで、日本法が適用できると解釈されています。
根拠としては、法の適用に関する通則法41条において、当事者の本国法に依るべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による、とされています。
これに対して、韓国法においては、日本と同じく原則相続は、被相続人の本国法による、としつつ、遺言で被相続人の常居所の国の法律を相続の準拠法に指定したうえ、死亡の時まで居住している場合には、被相続人の相続は、その国の法律を適用できると定められています。
そのため、韓国籍を有する方が、日本で死亡した場合には、原則韓国法が適用され、例外的に遺言書がある場合に、「日本の法律に従って相続をする。」と定めている場合は、日本の法律が適用されます。
韓国籍の方が亡くなった場合には、日本の場合と同じく、遺言書の有無を確認するべきでしょう。
また、後日のブログでも取り上げますが、韓国法に依る場合は、録音による遺言という形式もありますので、日本のように紙だけ探せばいいというものではありません。
そして、韓国も日本と同じく遺言書については、形式が法律で定められていますが、日本とは異なるおのもありますので、有効性判断については、日本法によるものとは違う配慮が必要です。
もし、自分の相続では、日本法を適用して欲しい韓国籍の方がいる場合は、韓国法に詳しい専門家に相談されることをお勧めします。
次回は、韓国籍の方が韓国法を適用するか日本法を適用するかの判断材料とするために、韓国と日本の相続の違いについて解説します。
それでは、また次回にお会いしましょう。