遺言書に書く内容(預貯金)

遺言

こんにちは。

今週名古屋の事務所に向かうため、バス停でバスを待っていると、雪が降ってきました。

子どものころは、少しでも雪が降れば大はしゃぎだったはずなのに、寒くてイライラしている自分がいることに気が付いて、何か大切なものが零れ落ちているような気がして少し落ち込みました。

 

さて、本日は、弁護士の業務を行う中で、疑問を持ち調べたことを皆さんと共有したいと思います。

 

本日の疑問は、「財産に預貯金がある場合に、どこまで、記載すればいいのか」です。

 

遺言書作成のために、自分の財産を挙げていく中で、几帳面に調べて残高を1円単位まで書いた詳細なリストを用意している方もいれば、通帳がどこかにいってしまい、残高はおろか支店名すら覚えていない、というような方までいます。

分からない場合は今回は置いておくとして、詳細なリストが用意されていた場合に、これをどこまで、特に残高まで書くべきなのだろうか、ということをお話したいと思います。

 

通常、遺言者の意思が明確であればいいので、特定の口座に入っているお金を特定の人に相続させる場合は、「銀行名」「支店名」「預金の種類」「口座番号」によって、相続財産である預貯金を特定することができる場合がほとんどで、これで足りるのが原則です。

 

一方で、「残高」は書くべきではない事項になります。

 

なぜなら、残高まで遺言書に記載してしまうと、遺言者の意思としては、その額についてまでしか意思表示がされていないことになり、相続開始時に1円でも、その記載された残高以上の額が存在した場合、遺言書に記載のない相続財産として、別途遺産分割協議が必要となってしまう場合があるからです。

 

できるだけ自分の財産は正確に遺言書に記載しておきたいという気持ちは分かりますが、あまりに限定しすぎた記載は避けるべきです。

 

せっかく、自分が亡くなった後に、残された相続人の手を煩わせないことを目的の1つとして作られる遺言書ですから、このような隙がないように気を付けなければなりません。

そのためにも、遺言書の作成を考えている場合は、相続に強い弁護士にご依頼されることをお勧めします。

PageTop